冷房病で手足のしびれが起こることはありますが、典型的な症状とはいえません。冷房で体が冷えると、血流が一時的に低下して手足が冷たくなったり、ジンジンするように感じたりすることはあります。ただし、しびれが続く、片側だけに出る、力が入りにくい場合は、冷房病以外の原因も考える必要があります。
冷房病で手足がしびれるように感じる理由
「冷房病」は正式な病名ではなく、冷房による冷えや室内外の温度差などで、だるさ、肩こり、頭痛、腹部の不調などを感じる状態を指す一般的な呼び方です。
冷房の風や低い室温で手足が冷えると、体は熱を逃がさないように血管を縮めます。その結果、手足の血流が一時的に少なくなり、冷たさや感覚の鈍さ、ジンジンする感じにつながることがあります。冷たい場所を離れて温めると、比較的短時間で改善する場合はこの影響が考えられます。
ただし、手足のしびれだけで冷房病と判断することはできません。神経の圧迫、血糖値の異常、血流の病気、脳や脊髄に関わる病気などでもしびれは起こります。
冷房の影響が考えられるしびれの特徴
次のような場合は、冷えによる一時的な感覚変化の可能性があります。
- 冷房の効いた場所にいるときに出やすい
- 手足全体が冷たく、左右同じようにしびれる
- 室温の高い場所へ移動したり、衣服やひざ掛けで温めたりすると軽くなる
- しびれ以外に、力が入りにくい、ろれつが回らないなどの症状がない
ただし、これらに当てはまっても、繰り返す場合や長引く場合は別の原因が隠れていることがあります。
冷房病以外の原因を疑うしびれ
冷房のない場所でもしびれる、温めても改善しない、症状が何度も起こる場合は、冷えだけでは説明できない可能性があります。原因として、次のようなものがあります。
- 首や腰の神経が圧迫されている
- 手首や肘などで末梢神経が圧迫されている
- 糖尿病などによる末梢神経の障害
- 血流の低下や血管の病気
- ビタミン不足などの栄養の問題
- 不安や緊張に伴う過呼吸による手足のしびれ
しびれの場所、左右差、出た時期、持続時間、痛みや筋力低下の有無によって、疑う原因は変わります。自己判断で「冷房病」と決めつけず、症状を記録しておくと診察に役立ちます。
すぐに救急受診を検討する症状
次の症状が突然現れた場合は、冷房病ではなく脳卒中など緊急性の高い病気の可能性があります。片側の手足や顔のしびれ・麻痺、ろれつが回らない、言葉が出ない、立てない、激しい頭痛、意識がぼんやりするといった症状があれば、症状が軽くなっても救急車を呼ぶことを検討してください。
胸の痛み、強い息苦しさ、冷や汗、意識を失いそうな感じを伴う場合も、緊急の対応が必要です。
しびれが軽いときにできる対処
冷房の影響が考えられ、症状が軽く、ほかに危険な症状がない場合は、まず体を冷やしすぎないようにします。
- 冷房の風が直接当たらない場所へ移動する。
- 上着、靴下、ひざ掛けなどで手足や首元を温める。
- きつい姿勢を避け、軽く手足を動かして同じ姿勢を続けない。
- 水分をとり、しびれがどのくらいで改善するか確認する。
急に熱い湯へ手足を入れたり、強くもみほぐしたりするのは避けてください。感覚が鈍っていると、やけどや皮膚の損傷に気づきにくいためです。
何科を受診すればよい?
しびれが続く、繰り返す、範囲が広がる場合は、まず内科や脳神経内科に相談するとよいでしょう。首や腰の痛みとともにしびれる場合、または特定の姿勢や動作で悪化する場合は、整形外科が適することもあります。
受診時には、次の点を伝えてください。
- しびれが始まった日時
- 手足のどこに出たか、左右どちらか
- 冷房のある場所との関係
- 温めたときに改善するか
- 痛み、筋力低下、ふらつき、発熱などの有無
- 糖尿病などの持病や服用中の薬
冷房で体が冷えたときに一時的な手足のジンジン感が出ることはありますが、手足のしびれは冷房病に特有の症状ではありません。温めても治らない、繰り返す、片側だけに出る、力が入りにくい場合は、冷房以外の原因を調べるために医療機関を受診してください。







